テキストサイズ

白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~

第6章 里中美智子


ときたま街で見かけるが、
その度に違う女を連れて歩いている。

聞けば高2の若さで、
すでに何十人もの女と寝たと
自慢げに話していたっけ。

良明ならば
私を女にしてくれる相手として
申し分ないだろう。

美智子はベッドから体を起こして、
スマホを手に取った。

アドレス帳から良明を見つけ出し
通話しようとタップしようとした指が
微かに震えている。

「やだ、もう緊張してる・・・
女にしてもらえるのよ。喜びなさい美智子」

自分自身を励ましながら
スマホ画面をタップした。

ツゥルルル・・ツゥルルル・・

何度目かの呼び出し音の後、
『はい』と、良明の声がした。

「もしもし、良明?
私、美智子です。
・・・ええ、お久しぶりです」

折り入って話しがあると用件を話し、
良明の都合のいい日時に会うことにした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ