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白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~

第8章 里中美智子の従兄弟 良明


久しぶりに美智子が
電話してきて会いたいといいやがった。

いったいなんの用があるってんだ?

まあいいか。
かわいいし、スタイルも悪くないし、
連れて歩いても恥ずかしくない女だ。

ただ、あの日焼けは、なんとかなんねえかな。せっかくの美貌が台無しだぜ。

里中美智子の従兄弟である良明は
面倒くさいと思いながらも
会いたいという美智子と久々に会う事にした。


当日、約束の時間よりやや早めに、
待ち合わせの場所に着き美智子を待った。

『いったい、話ってなんだろう?
洋服の買い物にでも付き合わせようってのか?
まさかお気に入りの服を
買ってくれっていうんじゃないだろうな』

やらせてくれる女なら、
撒き餌のつもりで金を使うのも悪くないが、
従兄弟じゃそんな余計な金など
使いたくもねえなと良明は思っていた。

約束の時間ちょうどに美智子はやってきた。

「お待たせ。待った?」

「いいや、俺もさっき来たとこだから」

なんだか今日の美智子、
やけにおしゃれじゃねえか。

それにちょっと会わないうちに、
色っぽくなりやがったなと思いながら
並んで歩き始めた。

「話ってなんだい?」

「そうね、歩きながらってのもなんだし、
どこかでお茶しながらでも話すわ」

そう言いながら美智子は
さりげなく腕をからめてきた。

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