白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第8章 里中美智子の従兄弟 良明
なんだかまんざらでもねえなと思いながら、
腕に当たる美智子の胸の膨らみを楽しんだ。
とりあえず、この店でいいかと
近場の喫茶店の席に落ち着いた。
「そろそろ本題に入ろうじゃないか」
少し苛立ちを覚えながら美智子に話しかけた。
「あのね、良明と行きたいところがあるの」
「いきたい所?」
ほらきた、
どうせどこかの百貨店にでも
連れて行けって言うんだろ。
良明の顔に
不満気な色が浮かんだのを美智子は感じた。
「あのね、
ショッピングに付き合えってとかじゃ
ないのよ。・・・行きたい所ってのはね・・・
どういえばいいかなあ・・・
ソファがあってね、テレビもあるの。
エアコンもよくきいていて、
汗を流すバスルームがあって、
とても大きなベッドもあるところ」
「それって・・・ラブホ?」
美智子の奴、
顔を真っ赤にしてコクンと肯いた。
「えっ?マジ?
ラブホってなにするところか
わかって言ってるの?」
「もちろんよ。
ただ見学したいとかじゃないのよ。
ちゃんとするべきことはしてほしいの」
「それは俺に
抱いてくれって言ってるのかな?」
再びコクンと肯いて
そのまま俯いてしまった。