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白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~

第10章 順也と理恵 それぞれの歩む道


雄介のバンガローには
クラスメートの男子が雄介の他に
三名が泊まりこむことになっていたからだ。

そんなところで初体験?
絶対に冗談だと思った。

「クラスメートの三人には無理を言って、
他のメンバーのバンガローに
泊まってもらうことにした」

「ちょっ、ちょっと!
みんなも一体なにやってんのよ。
これじゃあ計画的夜這いじゃない」

ユウのたくらみに肩を貸すだなんて
まったくバカげているわ!

ユウもユウだけど
みんなもみんなだわ

いくらフリーセックスの国だといっても
やっていいことと悪いことがあるわ!

理恵は憤慨した。

「私、帰る!」

立ち上がろうとした理恵の手を
ユウが引き留めた。

「・・・俺、内緒にしてたけど、
今度、日本に帰るんだ・・・」

「えっ?」

「帰国する前に君を抱きたい・・・
君を愛した証が欲しいんだ。
俺がこの国を離れたら、
俺の後釜を狙っている奴がわんさかといる。
そんな奴らより先に君を抱きたいんだ・・・」

ユウの頬を一粒の涙が落ちた。

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