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雨の降る夜は傍にいて…

第6章  小夜時雨(さよしぐれ)…

 50 元カレ

「ええっ、社長ぉ、そんな元ドラフト指名された野球選手の元カレがいたんですかぁっ…」
 と、ここまでのわたしの告白的な話しを聞いていた彩ちゃんが、そう言ってきた。

「うん、まぁ、色々あったんだけどね、元カレなのよ」

「だってぇ、東京6大学野球のスーパースターで、ドラフト指名されたっていったらぁ、凄い大スターじゃぁないですかぁ」

「うん、確かに凄かったかなぁ、特に夏の大会が終わってからはマスコミも騒ついてたかなぁ…」

「うわぁ、それってぇ、写真週刊誌なんかもぉ」

「うん、確かに、付き合っていた当時は写真週刊誌記者には気を付けていたわぁ…」

「きゃあ、すごぉい」
 と、彩ちゃんはミーハー的に騒ぎ出した。

「うん…そうかもねぇ」

「そんなぁ元カレとの再会なんですかぁ、じゃあ、もしかしてぇ…」

「うん…そう、もしかして…なのよ…」

 わたしはその再会をきっかけに、その元東京6大学野球のスーパースターである元カレの『山中 遼』と、再び付き合う事になったのである。

 ちょうど浩司と別れてから半年後の春、5月の終わりの候であった…

 
  第6章 小夜時雨(さよしぐれ)…


        完




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