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雨の降る夜は傍にいて…

第7章 五月雨(さみだれ)

 3 過去の栄光(2)

 わたしは身長168センチでバスケット選手として求められる高身長ではない、だがスピードがあり、そしてサウスポー、左利きであったのと、そのせいで独特のキレが生まれ、重宝されたのだと思っている。

 しかしわたしはその世代のそのポジションでは決してナンバーワンではなく、一人だけ絶対に勝てないプレイヤーがいた。
 そしてその選手の存在のお陰によっての自分がいて、それが全日本アンダーカテゴリーに選抜されるきっかけにも通じていた事も良く理解をしていた。
 またそんな彼女をライバルに出来たからこその向上とレベルアップ、そして現在があるのだと今でも思っているし、分かっていもいる。

 12歳の時に県内を10地区に分けての各地区による対抗戦があった、そしてその対抗戦でわたしが所属しキャプテンを務めた選抜チームが優勝をした。
 そしてそんな絡みもあってその時代の県のアンダー12全日本エンデバー候補として合宿に招集参加をしたのである。
 その時に、そのナンバーワン選手も一緒に参加をしていたのだ。 

 もちろん、その彼女は当時から既に、絶対的なナンバーワン選手の評価を得ていたのであるが、なんと、わたしが、その彼女に劣らない活躍、動きをしたのだ、それはその後のコーチに訊いたので当時は全く自覚はなかったのではあるが…

 それがきっかけとなり、一気にわたしの評価、評判が爆上がりしたのである。
 そしてそれ以降の全日本アンダーカテゴリーの招集には必ず声が掛かる様になったのだ。
 だが、個人的に対抗しても本当に彼女には勝てなかった、唯一、少しだけ勝ったのがコート内でのスピードであった。

 しかし、当時の優秀な指導者のお陰もあり、そしてまたわたしが左利きという事も幸いし、彼女とわたしの左右からのスピードあるオフェンス攻撃力、そしてディフェンスの守り、それにわたしと彼女の二人がもたらすスピードという相乗効果が生じ、当時のカテゴリー別のアジア大会等では必ず上位に位置、もしくは優勝できるハイレベルなチームが作れたのであったのだ。

 ひとえにわたしの存在の全ては、そんな彼女の存在のお陰なのである…

 だが、彼女は大学には進学はせずに、プロ選手の道を選んだのである。
 
 そのお陰でその世代の大学に於けるポジションのナンバーワン選手に、わたしがなったのだ…



 

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