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雨の降る夜は傍にいて…

第1章 台風の夜

 8 基準点…

「何か、私に奢らせて下さい…」

 よし、テストしてみるか…
 それ次第だ。

「あら、よろしいの…」
 わたしは彼の目を見つめながらそう呟く。

「もちろんです…」
 彼もわたしの目を見返してくる。

 ある程度、自分に自信があるようだ…
 だが男は、特にこの年代の男性はこうでなくてはならない。
 この年代で自分に自信が無いような男は論外なのである。

 あとはその自信がわたしの琴線に触れてくるのか、それとも自意識過剰なのか…
 それ次第なのである。

「うーん、何にしようかしら…」
 そしてわたしは彼をテストする。

「じゃ、テキーラサンセット…」
 そうバーテンに告げて、わたしはじっと彼の目を見つめる。

 すると彼の目が、ハッと見開き、輝いたのだ。

 おっ、合格か…
 わたしはそんな彼の目に、ドキドキと昂ぶりを感じてきたのである。






 
 

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