禁断の夏合宿
第9章 明日香と尚子
また朝がきた…
水泳部の部員たちは
見た目は変わらずに食堂の片隅で
賑やかにおしゃべりしている。
ただそこに相川育美の姿はない。
彼女は主将のレッテルを剥がされ
部員たちの輪にも加えてもらえず
阻害されて仕方なく
厨房で里美の手伝いをしている。
『すまん…育美…』
スイマーとしての実力がありながら
吉本との関係がバレたために
好きな水泳から一線を退こうとしている。
タン!!
激しい音を立てて
ぼんやりとしている吉本の目の前に
一本の栄養ドリンクの瓶が荒々しく置かれた。
「なによ朝から目の下に
クマを作っちゃってさ~」
さあ、それを飲んで元気出しなさいよと
厨房スタッフの里美が「差し入れよ」と
意味深な笑みを浮かべてそう言った。
「あ…すいません…
いただきます」
カチカチっと音を鳴らして
ドリンクの金属キャップを開けた。
「あんたたち、何かあったの?」
皿洗いをしている育美に目を向けて
里美が心配げに言った。
「いえ…別に喧嘩をしたわけではありません」
「それならいいんだけどさ…
ほら、先生と生徒の恋愛って
何かと良くないと思われているからね
色々と障害もあるだろうけど、
私は応援してあげるからね」
優しい言葉を投げ掛けた後、
また気が向いたら私も抱いてよねと
吉本の二の腕に豊満な乳房を押し付けた。