禁断の夏合宿
第3章 陽子と佳奈
「無理しないでね…」
相川は陽子の前にひざまづいて
痛めたという足を撫でてあげた。
「樋口さんは念のため、
今日この後の練習は見学しなさい」
吉本は、一応コーチらしい言葉を
陽子に言ってみた。
「さあ、あとの皆んなは
ビシバシしごくからな」
そう号令をかけると、
全員が「ええ~?」と、
あからさまに悲壮な声をあげた。
しかし、さすが桜川先生から
コーチングされているメンバーだ。
全員が拒否することなく、
黙々と練習をこなしていった。
そんな中、相川育美が
さりげなく吉本に近づいた。
「ん?相川、どうした?」
おそらく今夜の約束の確認だろうか…
吉本は心の中でほくそ笑んだ。
だが相川は
練習しているメンバーに気づかれないように、
キッと吉本を睨みつけた。
「先生…陽子とヤっちゃったでしょ!」
小声だが凄みを効かせた声で囁いた。
「な、なにを…!!」
なぜ?バレている?
「さっき、陽子の足を触った時に…
男の…その…匂いが…」
しまった!
ティッシュなどの拭くものが
なにもなかったので
そのまま水着を着たのが失敗だった…