禁断の夏合宿
第1章 臨時コーチ
「今度の水泳部の夏合宿なんだけどね…
君、夏休みは暇かしら?」
これは夏合宿に
一緒に行ってくれないかという
誘いなのではないか?
「は、はい!暇です!」
その言葉に桜川はニッコリと微笑んだ。
「良かったわ~、
じゃあ、夏合宿お願いしていいかしら」
「はい!一緒に行かせていただきます!」
桜川は既婚者だが、
このような美人と
学校以外で過ごせるというのは
喜ばしいことだと吉本は喜んだ。
「助かるわあ~、
私さあ、妊娠しちゃったのよ
今、3ヶ月なんだけどね、
マイクロバスで山道に揺られるってのは
どうもまずいのよねえ~」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ…
夏合宿、顧問代理として
俺一人で行けと言うんですか?」
「そうよ、だって我が校で
水泳の経験者といったら
君しかいないんですもの
大丈夫よ、みんな言うことを聞く
いい子たちばかりだから
半年前に、青少年センターに頼み込んで
日程を組んでもらっただけに
今更中止にしますって言えなくてさあ~」
顧問代理が決まったとなって安心したのか
桜川はおいしそうにミルクを飲んだ。