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禁断の夏合宿

第7章 男としての意地


「あらまあ!
あんたも顔に似合わず貪欲な女ねえ」

一箱あるからあげてもいいけどと
里美は言いかけて
「じゃあさ、あんた、
私の仕事を手伝ってもらえる?
もちろんタダでよ
見返りはコンドーム一箱…
これで手を打たない?」

双方にとって願ってもないことだった。
コンドームがあれば
間違って水泳部員を
懐妊させることもないだろうし
里美にしても
人手が足りなくて困っていたのだから。

「ええ、わかったわ
お仕事のお手伝いさせていただきます」

育美がそのように返事をすると
じゃあ、今から働いて頂戴なと
持っていた布巾を育美に握らせた。

「育美…すまない…」

吉本の気分は
稼ぎが少ないばかりに
妻に内職をさせて
生計を助けてもらう
情けない旦那のようだった。

「ううん、いいの…
でも、くれぐれも間違いを起こさないでね」


「あんた、いい女をモノにしたねえ」
はい、コンドームよ
そう言って里美は
コンドームの1ダース入りの箱を
吉本に手渡した。


「あら育美、あんた、
お掃除おばちゃんになったの?」

テーブルを拭いている育美の姿を見て
佳奈が茶化した。

「あんたにゃ、そういうのがお似合いよ」
軽蔑の眼差しを育美に注ぎながら
陽子が今夜からの順番表を吉本に手渡した。



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