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恋人は社長令嬢

第5章 我慢するのはお互い様

「ムフフ……」

水曜日の放課後、思い出し笑いをする梨々香。

「あら、何かいいことでもあったの?」

「えっ!!!」

まさか、目の前でレッスンをしてもらっている先生に、”彼氏とのHを思い出してました”

な~んて、言えるわけがない……


「ハハハ……さっき、100円拾っちゃって……」

「え~!!どこで!!」

「えっ……と、そこの廊下で……」

適当に答えるのが、ベストだ。

「その”ラッキー”っていう気持ちが、表情に現れてたのかな?」

「ウソ!」

「松森さん、今の演奏すごくよかったよ。心から楽しそうに弾いてて、こっちまで嬉しくなってきそうだったわ。」

梨々香は、初めて誉められたことで、頭がポーッとなった。

瞬に貰った元気のおかげだ。

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