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恋人は社長令嬢

第5章 我慢するのはお互い様

「あ~あ。恋愛って、難しいよな。」

瞬は、ため息をついた。


「それって体のいい、ただの言い訳よね。」

瞬と至が隣を見ると、そこには那々香が、一人で座っていた。

「松森!い、いつの間に!!」

「あら?ここのお店、二人だけのいきつけだと思ってた?」

那々香は、随分濃そうなお酒を、飲んでいる。

「だからって、こんな場所で一人で、飲まなくても。寂しい女だなあ……」

「失礼ね!いい女は、一人で飲みに来るのよ!」


確かに否定はしないが。

本当に、一人で飲んでるところが、那々香らしい。


「ところで松森。さっきの、体のいい言い訳って何だよ。」

瞬は、思い出したかのように、那々香に絡んだ。

「ああ。」

那々香は、お酒をグイッと飲んで、頬杖をついた。

「男の『忙しいから、しばらく会えない。』っていうのは、ウソ。本当に好きなら、夜中に仕事が終わろうが、会いに来てくれるもの。」

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