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恋人は社長令嬢

第6章 愛してるのは言葉だけ!?

『またね、瞬。愛してるよ~』

「あ、ああ……」

そう言って、梨々香からの電話は切れた。

気のせいだろうか。

あの日以来、しきりに梨々香が、”愛してる”を連発してきるような気がする。


昼休み。

社員食堂で、昼ご飯を食べる瞬と至。

「ああ?あの彼女が、”愛してる”を言いまくってくる?」

「うん…」

「それが深刻な悩み?」

「ああ。」

「付き合いきれん。」

「わああ~!待ってくれ!」

席を立とうとする至を、瞬は引き留めた。

「本当に真剣に、悩んでるんだ。」

「何で、悩む必要があるんだよ。」

瞬はゴクンと、唾を飲んだ。

「本気で……俺の事、愛してくれてるのかな。」

「あ?」

「今時の女の子って、みんな、あんな感じなのかな。」

「はあ……俺、今時の女の子を、相手にしたことないから、わからねえや。」

だんだん、瞬の顔が赤くなってくる。

「至、俺……」

「うん。」

「梨々香が学校を卒業したら、俺、あの子と結婚したい!!」

叫び終わった瞬の前に、既に至の姿はなかった。

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