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恋人は社長令嬢

第6章 愛してるのは言葉だけ!?

至はさっさと社員食堂を出て、非常階段に向かっていた。

この会社は、全室禁煙。
※春樹が煙草を吸わない人だから

昼食後の一服に、あの階段を使っているのだ。

「はああ……」

至は、さっきの瞬の言葉を、思い出していた。

「結婚ね……」

その時だった。

「驚いた。至の口から、そんな言葉が出てくるなんて。」

隣に来たのは、埜々香ではなく、別な女だ。

「まさか、誰かを妊娠させたんじゃないでしょうね。」

「そんな事はしません。そこは俺、しっかりしてるから。」

笑いながら煙草を一本、ポーチから取りだした女は、安奈という名前だ。

彼女も帰国子女で、至とは意見がよく合った。


「もしかして、本気で好きな子、見つけたの?」

「いや…結婚したがってるのは、俺の親友。」

「へえ~いくつの人?」

「同じ年。」

「相手は?」

「大学生。」
※至は梨々香が大学生だと思っている

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