恋人は社長令嬢
第6章 愛してるのは言葉だけ!?
安奈からは、吸っていた煙草の香りがする。
だからと言って、相手が放すまで、自分からは離れない至。
「嫌がらないのね。」
確かに 付き合ってもいない女からキスされたって、うれしくないはずなのに。
「そういうところ、私は好きよ。」
そう言って、安奈は非常階段から出て行った。
「安奈!」
振りむいた安奈は、にこっと笑った。
「愛してるわ、至。」
「あ、ああ…俺も。」
理由もないのに、手を挙げて応える自分がいた。
ふと角を見ると、細い肩が震えているのが見えた。
無意識に、足が向く。
「埜々香ちゃん?」
自分を向いた埜々香は、目に涙を溜めていた。
「さっきの見てたの?」
コクンとうなづく埜々香。
「どこから?」
「…キスしてるとこから……」
だからと言って、相手が放すまで、自分からは離れない至。
「嫌がらないのね。」
確かに 付き合ってもいない女からキスされたって、うれしくないはずなのに。
「そういうところ、私は好きよ。」
そう言って、安奈は非常階段から出て行った。
「安奈!」
振りむいた安奈は、にこっと笑った。
「愛してるわ、至。」
「あ、ああ…俺も。」
理由もないのに、手を挙げて応える自分がいた。
ふと角を見ると、細い肩が震えているのが見えた。
無意識に、足が向く。
「埜々香ちゃん?」
自分を向いた埜々香は、目に涙を溜めていた。
「さっきの見てたの?」
コクンとうなづく埜々香。
「どこから?」
「…キスしてるとこから……」