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恋人は社長令嬢

第6章 愛してるのは言葉だけ!?

「…そのくらいになれば、自分一人で、生きていけるでしょう?」

「ええ?」

「一人でも生きていけるようになれば、結婚なんか考えなくてもいいし。そうすれば、亮介さんとも、ずっと一緒にいられるもの…」

「那々香…」


小さい頃は、ああしなさい、こうしなさいと言われるのが、嫌で嫌でたまらなかった。

それが今、亮介に褒められるのなら、あの家に生まれた事も、よかったと思える。


亮介に家庭があるのは、知っている。

まだ小学生の子供がいる事も、知っている。

離婚を切り出せないのではない。

してはいけないのだ。

自分の勝手な、恋愛感情などで。


「私、あなたの隣にいられれば、他には何もいらない…」

亮介は、そんな那々香の体を、何も言わずに撫でてくれた。


愛おしむかのように、何度も何度も。

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