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恋人は社長令嬢

第6章 愛してるのは言葉だけ!?

オープンな性格だからなのかな。

こうやって直ぐに、人を打ち解ける事ができるのは。

埜々香は、至と安奈が少しだけ、羨ましかった。


「埜々香ちゃんって、大人しいね。」

「…よく、言われます。」

「ちょっと、至。この子に、手、出してないわよね~。」

安奈はやけに、至の至近距離にいる。

「出してないよ。俺、紳士だし。」

「はははっ。気をつけなよ、埜々香ちゃん。こいつ、正体はオオカミさんだから。」

「えっ…」

一歩、後ろへ下がる埜々香。

「ほら~安奈が変な事言うから、埜々香ちゃん、真に受けたじゃん。」

「はははっ!」


聞かなくても分かる。

二人の仲が、誰よりもいいのは。

自分の入る隙間など これっぽっちもないことを。


「埜々香ちゃん?どうした?急に泣いたりして…」

自分でも分からないうちに、涙がこぼれ落ちていた。

「あ~泣かした、泣かした。」

「泣かしたのは、安奈だって~」

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