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恋人は社長令嬢

第6章 愛してるのは言葉だけ!?

どうしよう。

いい加減、泣き止まないと。

埜々香は、手で涙を拭きながら、涙を止めようと必死になった。


「埜々香ちゃん。機嫌直して笑わないと、お兄さん、本当にオオカミになっちゃうぞ~」

至が冗談で、オオカミの真似をした。

「ふっふふふふ……」

思わず声を出して、笑う埜々香。

「なんか、兄妹みたい。」

安奈がすかさず、口を挟んだ。


兄妹、妹……

笑ったばかりの埜々香から、笑みが消えた。

「私、そろそろ、戻りますね。」

「あっ…埜々香ちゃん。」

振り返りもせずに、埜々香は出て行ってしまった。

「ありゃ、誤解させちゃった。」

安奈は、口元に手を当てた。

「ごめんね、至。」

「…謝る相手、間違ってるだろ。」

「それもそうか。けど、誰かさん。妹みたいな子が、タイプだって言ってなかった?埜々香ちゃん、ドンピシャじゃん。」

「そんなんじゃ…ねえって…」

じゃあ 何?って聞かれても、答えられないんだけどさ。

至は頬をポリポリと掻いた。

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