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恋人は社長令嬢

第6章 愛してるのは言葉だけ!?

瞬は、走って走って、走った。

この時間じゃあ、レイトショーも既に始まっている。


一人で映画を観てるのか?

自分と一緒に、観たいと言っていた映画を。


瞬が入口のドアを開けた。

チケット売り場を素通りして、ホールの入口まで来た。

「お客さん、チケット持ってるの?」

映画館の人に、呼び止められた。

「ああ……なんか、中に忘れちゃったみたいで。」

「それじゃあ、もう一度は入れないよ。」

「そこを何とか……」

「こっちも商売だからね。」

ホントに客商売かっていうくらいに、ツンケンしている。


「チッ!」

舌打ちをして、瞬は別な場所へと移動した。

ホールの中にある、丸い柱を進んだ時だ。

ベンチに座っている、一人の女の子を発見した。

「梨々香だ。」

瞬は、ずっとうつむいている、女の子の前に立った。

女の子は、目の前に現れた人影に、顔を上げた。

「梨々香、見ーっけ。」

「……瞬。」

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