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恋人は社長令嬢

第4章 蝶よ花よと育てたつもりが

「私の事をそこまで高く評価して頂いた事は、とても感謝しています。ですが私は…取引先のお客様と触れ合う事ができる、この仕事を誇りに思っているんです。営業以外の仕事では、味わう事はできません。」

本当は、父親の側にいたくないから、秘書課にだけは行きたくないのだ。


「ほう……」

那々香は、春樹のその返事を、聞き逃さなかった。

そんな返事をする時は、決まって、強行突破を考えている時だ。

「同じ名字の好みで、話だけは聞いてやったが……」

那々香は、一瞬キレそうになる。

春樹は立ち上がると、ゆっくり那々香に近寄った。


「ここでは、俺が社長だ!俺の言う事が、絶対だ!」

(なんですって~!!!)

那々香は、他の人に見られないように、口パクで叫んだ。

「黙って付いてくるんだ!!」

「キャッ!」

春樹は、那々香の腕を掴んだ。

「社長!その手を、お放しください!!」

そう叫んで、春樹と那々香の間に入ったのは……

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