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恋人は社長令嬢

第4章 蝶よ花よと育てたつもりが

「だって……いつも自信満々に見える人が、ため息なんかついてるから。」

「心配してくれたんだ。俺の事。」


心配?

なんで埜々香が、一緒にいる男の心配など、しなければならないんだ?


「い、至さん…」

「えっ?」

「あ、すみません。断りもなしに名前で……」

「ううん。俺、海外での生活が長いから、名前で呼んでくれた方が、助かるかるんだけどさ。俺、名前教えたっけ?」

「……周りが、そう呼んでいたから。」

「へえ……それで人の名前を覚えられるなんて、頭がいいんだね。」

「そ、そ、そんなこと、ないです!!」

ドアの隙間から見ると、必要以上に埜々香が、首を振っている。


「それとも、俺には特別、興味があるとか。」

「えっ!!!」

「ウソ。冗談だよ、埜々香ちゃん。」


くわああああ!!

何が埜々香ちゃんだ!

気安く人の娘の名前を呼ぶな!!

しかもあの様子だと、埜々香もマンザラではなさそうじゃないか。

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