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恋人は社長令嬢

第4章 蝶よ花よと育てたつもりが

「そう言えば社長が、秘書課の欠員が出たとかで、新しい子探してたよ。埜々香ちゃん、立候補してみたら?」


だから 俺のセリフを取るな~!!!


「え?」

「そうだよ。そうしなよ、埜々香ちゃん。せっかく、いいもの持ってるんだから、それを生かせって。」

「ありがとうございます、至さん。でも、今の私には無理。」

「やってみなきゃ、分からないじゃないか!」

それでも埜々香は、YESの返事をしなかった。

「私、ようやく今の仕事に慣れてきたところでしょ?こんな状態で、また他の仕事をしても、結果は見えていると思うの。」

「埜々香ちゃん…」

「もし何年かして、トライしてみる気持ちがあるなら、自分から言ってみる。」

埜々香の表情は、父親の自分でも、見たことがないくらいに、大人びているものだった。


「なんか、埜々香ちゃん。俺の知り合いに似てる。」

「知り合いですか?」

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