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恋人は社長令嬢

第4章 蝶よ花よと育てたつもりが

京香は窓を開けた。

「放って置いても、もう少しで帰ってくるわ。」

「そのもう少しが、命取りになりかねん。」

「うちの会社は、そんなに危ない場所じゃないわよ。」

「危険なのは会社じゃなくて、梨々香の方だ!!」

「えっ?」

春樹は腕をならしながら、また会社の中に入って行った。



「梨々香が行きそうな場所は、大体分かっているんだ。」

春樹は最上階にある、メインコンピューター室へ行った。

会社の全ての情報が、ここで管理されている。

この室内に入れるのは、ごく限られた人物だけ。

春樹は、周りを何度も何度も見渡した後、入口のセキュリティーBOXに、指を入れた。

指静脈認証システムで、登録された者以外、入る事はできない。

だが梨々香は、小学生の時から何度も、この部屋に入っている。

我が娘ながら、油断ならぬ人物なのだ。

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