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恋人は社長令嬢

第4章 蝶よ花よと育てたつもりが

そっとそっと、中を見て回る。

その時、スッと奥の方で動く人影が。


「大人しくしろ。いるのは、分かっているんだ。」

春樹は腕を伸ばした。

「捕まえたぞ!」

後ろからわし掴みにし、床に膝をつかせた。

「おまえというヤツは!今日という今日は、許さないからな!」

「しゃ、社長!僕です!」

「ん?」

聞こえてきたのは、男の声だった。

見れば、さっき自分を見送ってくれた、秘書ではないか。


「何してる?こんなところで。」

「それは、僕のセリフです。」

「ああ、そうか。」

春樹は、腕を放した。

「奥様と一緒に、食事に行かれたのでは?」

秘書はかなり痛がっている。

「うん…まあ……」

すかさず、前後左右を確認する春樹。

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