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終焉告げる金色の蝶と死想の少女

第3章 金色の蝶

その先の記憶はもうない。


記憶はないが。月伽が終わりに見た風景(さき)には、果てしなく花の海が広がっていた。黄昏色の、あの花が。


――きっと。金色の蝶が終焉を叶えてくれたのだろう。





その花言葉は――《真実》だから。





月伽が想う通り、やはり死は美しかった。




生者であらねばならない理由はない。死者で、掴める青い夢もあるのだから。



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