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終焉告げる金色の蝶と死想の少女

第1章 死に魅入られた者

これはパンドラの箱と同じ。触れてはならない禁忌なのだとしても、どうしてそれを開けずにいられよう。


少女に迷いは一切なく、その扉を開いた。




《蝶池神社》
泡沫市泡沫町☓☓☓

蝶の形をした《蝶池》が人気スポット。


この池には《終焉を告げる金色の蝶》の都市伝説があり、――蝶の池に眠る金色の蝶に願えば、望んだ終焉が訪れる、告げられるという。

《鍵》

・深夜0時に行くこと

・必ずひとりであること

・供物を捧げること



神社の画像はないし、供物が何なのかさえも書かれていない。


それでもいい。その謎がまた、心を高揚させる最高のスパイスになるのだから。



「泡沫市なら、電車で3時間くらいかしら。今からさっそく切符を手配して……」




少女は無我夢中で手を動かす。どんな都市伝説も面白かったものの、いつも退屈でしかたなかった。



――これで、ようやく永年の夢が叶うのね。



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