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鬼の姦淫

第5章 地下の墓



「……手っ取り早く教えてやっただけ。 少しは満足?」

しばらくして彼の動きが止まり、すっと身を引いて私から距離を取った。

目を逸らしたままの若林くんが踵を返し、石段を登りかける。

「下手にこっちに関わったからお前はそうなった。 仲正に会いたければ上にいる……好きにすればいい」


コツ、コツ、コツ──────…

遠くなっていく足音を耳にしながら、私は火照る体を抱き締め、しばらくそこに佇んでいた。




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