鬼の姦淫
第5章 地下の墓
考えようとすると思考にもやがかかる。
肩から下に降ろされた手のひらが胸に滑ってく。
置かれた手にビクッと体が反応した。
包まれた片方の膨らみをやわやわと揉みしだかれる。
「ここも随分成長した。 こうされて?」
その場から動けなかった。
彼の唇が接している、自分の首すじの髪の生え際の肌が熱く脈を打っていた。
「そん、な……わた…誰……とも」
この人、本当に若林くん?
そんな疑問が私の頭の中でグルグル回った。
膝が震えて彼の胸元の衣服を握る。
「それじゃ余計おかしいだろ。 知らない奴がこんな反応すんの」
「ン…あ…っ!」
布越しに胸の先をきつく挟まれ、くぐもった声が漏れる。
密着してる体の、私の腰の辺りに不自然に硬いものが押し付けられていて、そしたらなぜか、余計にそこから動けないでいた。
「それでなぜか『男のコレが欲しい』って、思った覚えは?」
触れられてるどこもかしこも熱くて、全身が震える。
半ば強引にされてなぜこうなるのか、自分でも分からなかった。
「ま……また、私から離れようとしてるの?」
そこで初めて私は、自分の腰に添えられていた彼の手首を頼りなくつかんだ。
自分とは異なる造りの男性の骨格だと思った。
そのために私に触れるの?
あのときと同じに。