👿サディステック👼エンジェル
第9章 残酷愛
震えながら――――…それでもポツリポツリと話す矢先の唇は…カサカサに乾いていた。
――――そういえば…
あの姉は…矢先に濃厚な口づけをしていた…
満足げに病室を出ていった彼女の唇は生き生きと艶々していたが…
矢先の唇は――――…生気を吸われかのようにカサカサで…
なんとも…非対称な二人の様子に――――矢先の不安は的中してしまったのだと…悟った。
俺は、矢先の肩をそっと抱き寄せた。
「矢先――――いや…桃……」
「せん……悠……――――アイツは?アイツは…まだ俺を諦めてない気がするんだ…それより――――もっと酷くなってる」