👿サディステック👼エンジェル
第10章 相手のない幸せ
緊迫した状況で――――一人の看護士が俺の手首を傷つけ続ける結束バンドをハサミで切ろうとする。
「さわるなぁぁぁぁ!私の桃李だぞぉぉぉぉ!」
すると、その行動に激怒しこちらに向かって襲いかかってきた!
「桃――――!」
と、次の瞬間!悠斗が俺に覆い被さるようにベッドへと身を乗り出す!
「キャー!」
「辻山さん!」
俺の視界は真っ暗になり!体に重みを感じた瞬間に――――…周りの悲鳴とガタガタと言う…雑多な音に翻弄される!
何事か――――起きてる?
――――うっ!うっ!
死ね――――死ね――――死ね!
――――うっ!うっぐ!うっ!がっぁ!
「んん――――…んん…ん!んんん…」
視界は真っ暗だが…
俺の上で…
何度も――――…
何度も――――――――…
何かとなにかが、ぶつかり…跳ね返し…
再び…
押され――――…ベッドの安いスプリングがギシギシと何度も沈む。
「桃――――大丈夫…大丈夫だよ…」
「んん――――?」
目を開けとうと必死に瞼を持ち上げる――――でも!誰かが俺の目を手で塞いでいるのか…目を開けても目の前は真っ暗で…何も見えない!
「やめなさい――――!取り押さえろ!」
「キャー!担架!早く――――応急処置を!」