👿サディステック👼エンジェル
第11章 誰も知らない――――…
しかし、事件に巻き込まれていた事は…俺の手首や足首に着いている傷で分かる。
縛られて――――…殺されそうになったのかな?なんて、勝手に想像するが…
ど~しても…思い出せないから…
思い出すことをあきらめた。
養父の家は農家だったから――――俺は高校に通うことをせずに働くことにした。
毎日、土を触り…クタクタになるまで働き…寝る。
俺には合っていた。
養父の元に来た頃に比べたら――――顔色も良くなり…体も筋肉質になっていく。
もともと、見映えはいい顔と体だと自惚れていたが……
27歳の今の方が――――健康的で魅力的な男になったと思う。
「お父さん――――今日もかっこいい~!」
「おお!?悠蘭は嬉しいこといってくれるなぁ~」
養父に持たせてもらったのか、人参を一本手に走ってきた娘を抱き抱え――――俺は家路に向かう。