野良猫さん。
第2章 門限
「満室ー?」
「ごめんねショウちゃん。あと二時間は空かないよ」
「ォウマイガッ!」
両手で頭を抱える日高。
「ふふふっ」
それを見て笑う店員は、どうやら日高の姉さんらしい。
「友達くんもごめんね。えっと名前‥」
「はい、西村です」
「彰彦だよ、彰彦」
オレとお姉さんの会話を割るように入って来た日高。
姉さんと友達が話すのが嫌なのか‥シスコン?
だとしたら気持ち、なんとなく分かる。
オレも、達城と日高が話しているのを見るのはたぶん嫌だ。
達城も日高も好きだから、なんか、なんか嫌だなー。
「じゃ、行くか彰彦!」
「え?」
あ、日高とお姉さん会話聞いてなかった。
どうでもいい事を考えてるうちに、話しはオレの訳の分からない方向へ。
「ショウちゃん!広瀬くんによろしくね」
「ほーい」
お姉さんにヒラヒラと手を振る日高に肩を抱かれ、訳が分からないまま隣接する薄暗い店に入った。
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