
野良猫さん。
第2章 門限
プルルル、プルルル。
「繋がんねぇ‥」
まあ、出られるわけないか。
色んな作家んとこ飛び回って、会社に戻れば立て続けに会議。
まあ、いいか。
達城が帰る頃にはとっくに家だろ。
「よーし、彰彦!行っくぞー」
部活の先輩に見つからないようにと、裏門から出てきた日高。
校門に寄り掛かるオレの隣に腰掛け、前髪を縛り始めた。
「うわー、髪きしきし」
「そんだけブリーチしてればな。つか、次期キャプテンがサボりとか」
「金髪はステータス。つか、テンション下がること言うなー」
むくれながらもニカッと笑う日高。
金髪に長い前髪。
小さくて華奢でサッカー部のくせに色白。
つり目のくせにどこか可愛げのある顔。
入学当初から派手で目立つ存在の日高と、人見知りで周りを一切遮断していたオレが何で仲良くなったのかはよく分からない。
「うまく出来ない。彰彦、縛ってー」
「ハイ、ハイ」
けど、すごく居心地の良い友達だ。
