
大人の俺と子どもの私
第2章 新学期
秋が入社して1週間、
やっと春休みが明け今日から新学期が始まる。
学校に行ったり行かなかったりを繰り返してる紗南も、今日はクラス替えが気になるからって行くみたいだ。
「しんどかったら帰ってきていいからな?」
「…」
久しぶりの早起きだし、みんなで朝ごはんを食べてるから、コクンッとだけ頷くしか返してくれないけど、少しは気楽に行ってくれればいいかなって思って伝えておく。
「唯ねー、8時に葵ちゃんと待ち合わせしてるから!」
紗南の前に座ってもう食べ終わりそうな唯が話しかけてきた。
「はいよー。
紗南はいつくらいに行くの?」
「…」
「フッ」
首だけじゃ返事が出来ないからか、反応なし。
頑なに声出したくないオーラを出してて、笑ってしまった。
