
恋、しません?
第1章 第一話 男友達の家政婦致します
険悪な雰囲気のまま、案内は終ったので自室へ行くという日向と別れて一階へと下り立った菊子。
菊子は、そのまま、雨の待つ応接間へと向かう。
応接間の扉を開けると呑気に新聞を読んでいる雨がいた。
「お帰り、菊子。日向は?」
雨は菊子に気が付くと新聞から顔を上げ、菊子の方を見て言った。
「自室ですよ」
「そうか。家の事は分かった?」
「はい、だいたい」
「なら良かった」
そう言って雨はあくび一つする。
伸びまでして、雨はずいぶんのんびりと構えている。
さっき、日向と言い合ったばかりの菊子は、いい気なものだわ、と心の中でこっそり思う。
「それで、目黒さん、私はこれから何をしたらいいでしょう?」
菊子は真顔で訊いた。
何しろ、一日十万円で雇われているのだ。
それに日向の目もある。
しっかりと働かねばなるまい。
気合が入る菊子だったが雨はのほほんとしていて、「なぁ、菊子、お前、昼飯食べて来たか?」なんて訊いて来る。
菊子は首を横に振った。
「そう言えば、まだでした」
菊子の問いに嬉しそうな顔をする雨。
「そうか、実は、俺もまだなんだ。今日は昼にデリバリーでピザを取ったんだ。一緒に食べよう。日向は先にすませたから」
言われて菊子は、ダイニングテーブルにピザやサラダが広げられていたのを思い出す。
ピザは菊子の好物の一つだ。
テーブルの上のピザを見て、喉を鳴らした菊子なのだった。
「ご馳走になっていいんですか?」
「いいに決まってる」
「でも、仕事は?」
「食事の後にしてもらう」
「なら、ありがたく頂きます」
菊子と雨は、リビングダイニングに移動した。
ダイニングスペースのテーブルの上に鎮座している大き目のピザに菊子は目を向ける。
「ピザ、温め直した方が良いですよね」
「ああ、そうだな。熱々が食べたいよな。頼めるか?」
「任せて」
「じゃあ頼む。後、冷蔵庫にビールが入ってるからそれも持ってきてくれると助かる」
菊子は、そのまま、雨の待つ応接間へと向かう。
応接間の扉を開けると呑気に新聞を読んでいる雨がいた。
「お帰り、菊子。日向は?」
雨は菊子に気が付くと新聞から顔を上げ、菊子の方を見て言った。
「自室ですよ」
「そうか。家の事は分かった?」
「はい、だいたい」
「なら良かった」
そう言って雨はあくび一つする。
伸びまでして、雨はずいぶんのんびりと構えている。
さっき、日向と言い合ったばかりの菊子は、いい気なものだわ、と心の中でこっそり思う。
「それで、目黒さん、私はこれから何をしたらいいでしょう?」
菊子は真顔で訊いた。
何しろ、一日十万円で雇われているのだ。
それに日向の目もある。
しっかりと働かねばなるまい。
気合が入る菊子だったが雨はのほほんとしていて、「なぁ、菊子、お前、昼飯食べて来たか?」なんて訊いて来る。
菊子は首を横に振った。
「そう言えば、まだでした」
菊子の問いに嬉しそうな顔をする雨。
「そうか、実は、俺もまだなんだ。今日は昼にデリバリーでピザを取ったんだ。一緒に食べよう。日向は先にすませたから」
言われて菊子は、ダイニングテーブルにピザやサラダが広げられていたのを思い出す。
ピザは菊子の好物の一つだ。
テーブルの上のピザを見て、喉を鳴らした菊子なのだった。
「ご馳走になっていいんですか?」
「いいに決まってる」
「でも、仕事は?」
「食事の後にしてもらう」
「なら、ありがたく頂きます」
菊子と雨は、リビングダイニングに移動した。
ダイニングスペースのテーブルの上に鎮座している大き目のピザに菊子は目を向ける。
「ピザ、温め直した方が良いですよね」
「ああ、そうだな。熱々が食べたいよな。頼めるか?」
「任せて」
「じゃあ頼む。後、冷蔵庫にビールが入ってるからそれも持ってきてくれると助かる」
