I‘m yours forever
第1章 美月、傷つく
「........口に合わないか?」
黎一さんに心配そうに声をかけられて私はハッとして、彼の方へ視線を移す。
「そんな事無いです!私、食べるの遅いだけなんです。とっても美味しいです!」
そう言って愛想笑いを浮かべた私は、本来なら味わって食べるべき牛ヒレ肉を無理矢理胃へと流し込んだ。
「無理をするな。食べられないなら残せばいい。」
気遣うように優しく言った黎一さんは、若干申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
そんな顔させるつもりじゃなかった。
ごめんなさい、折角誘ってくれたのに。
黙々とディナーを平らげていく優しい彼を見ながら謝罪も出来ず、私は波のように押し寄せる後悔の渦に呑まれていったのだった。