I‘m yours forever
第3章 美月は何も知らない
「美月ッ!」
完全に覚醒した私は骨も砕けんばかりに彼女の身体をきつく抱き締める。じわじわと胸の内に安堵が広がっていった。
「悪夢に魘されていただけだ。すまなかった。起こしてしまっただろう。」
「い、いえ...喉が乾いてリビングに行こうとしたら聞こえてきたので...本当に大丈夫ですか?」
「お前のお陰で助かった。心配をかけたな、もう大丈夫だ。」
私は愛らしい彼女の目元に唇を落とす。
「..........でも顔色がまだ......不安でしたら、一緒に寝ますか...?」
サッと頬を赤らめ、その後すぐさま私の顔色を窺うように尋ねてくる美月が一層可愛いく見えた。
「お前の提案は嬉しい限りだが、私はただ単に悪夢を見ただけだ。お前がそこまでする必要は無い。心配をかけてすまなかった。早く寝なさい。」
再び美月を抱き寄せようとしたが、思い止まると片手で彼女の頭をゆっくりと撫でた。
「.......分かりました。おやすみなさい。」
何か言いたげな表情を見せながらも美月はそう言うと、寝室の方へと戻っていった。
彼女が完全に見えなくなったのを確認すると、俺は寝室を施錠した。