I‘m yours forever
第3章 美月は何も知らない
美月が生きていた。
殺したと思った最愛の妻が生きていた。
これ程幸せな事はない。
ああ、美月
愛おしい俺の美月
お前に看取られて死ねるというなら
何だってしてやるさ
俺はそういう人間だ
絶対にお前を手放すものか
膝から崩れ落ちるかの如く、カーペットの上にしゃがみ込んだ俺の心臓は、早鐘を打っていた。
“貴方は私のものなのよ”
善人を装った義母の作り笑顔と赤子をあやすような不気味な程に穏やかな声色が脳内に反響する。虫唾が走った俺は舌打ちをした。
やがて一定の落ち着いたリズムで動き始めた心臓に安堵して、私は深い溜息を吐いたのだった。