I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編
「そうですね。2階に洋室が3つあるので。」
「多くね?手に余るだろう?」
「そうなんですよね😓黎一さん専用、私専用、夫婦共用部屋と割り振ったんですけど、余ってて...1階の和室が使えてないんです。」
「ありゃりゃ(笑)」
「黎一さんは予備部屋にすればいいって言ってたんですけど...やっぱおかしいんですかね?」
「...まあ、人それぞれだからなぁ。でも、自分の部屋が有るって事で、就寝時にストレスかからねえ点はメリットだな。ただ新婚だろ?コミュニケーション不足とかスキンシップ出来ねえとか、色々影響有りそうな気はするが....。」
「................その......共用部屋にもベッドがあるんです.....共用部屋っていう名前ですけど、じ、実際、あ、愛の営み部屋でして....。」
「わーーーー!😱ごめんごめんごめん🙏本当ごめん🙏俺が気付けばよかった🙏」
ダイニングテーブルに頭を擦り付ける勢いで、頬を真っ赤に染める私に西條は謝ってくる。
が、彼に罪は無いと思った。
「い、いいんです。ま、まさか、ベッドが3つも有るなんて普通思わないじゃないですか...。」
「それはあるけど、それ以前に察しろよって話だよな。ホンマ悪かったわ...。じゃあ最初から俺が言った事は全てオールクリア状態なんだな。」
「そ、そうだと思います...。」
「一つ気になるんだが、この家選んだのってアイツか?」
「そ、そうです。あ、でも元々、私が決める予定だったんです。新築マンションの4LDKも良いなぁって思ったんですけど、優柔不断な性格が災いして決断出来なくなってしまった所、彼が決めて下さって...。」
「アイツの独断で無いんなら良かった☺️」
「全然そんな事しません。頑固な部分は有りますけど、基本私の意見優先で、かつ選択肢もきちんと用意して下さってるので、有難いです。」
「亭主関白なら時代錯誤だと皮肉ってやるつもりだったが、三低のうちの二つは当てはまってるな。良しとするか。」
「さ、三低?」
「低姿勢、低依存、低リスク。最近の若い子が結婚相手に求める条件らしい。テレビでやってたぜ。威張らず、子育てや自分の身の回りの事を妻に丸投げしない、堅実な職業に付いている男だと。」