テキストサイズ

老人ホーム

第5章 ちょっとしたハプニング

僕は、

「JAFの会員になってます?なってたら、JAFに連絡して来てもらって、僕が対応します。本田さんは、僕の車で研修に行って下さい。僕の車、変な臭いするかもしれないですし、保険は本人限定だから事故のないようにしてもらわないといけませんが。」

と言うと、本田は、

「JAFの会員にはなってますが、私が自分で対応します。少しくらい遅れたって大丈夫ですから…。」

と言うが、僕は、

「本田さん、研修の主催者側の一人だって聞いたことがあります!本田さんいないとまずくないですか?たぶん、引き上げるのに、結構時間掛かりますよ!」

と言うと、本田は、

「今日は、介護福祉士試験を受ける関連施設の職員の為の、医療の分野の講師として呼ばれているんだけど…。」

と言った。僕は、

「だったら、間に合うように行かないと…。とにかくJAFに電話して、来てもらって下さい。自分じゃなく別の人間が対応することも伝えて下さい。速くしないと間に合わなくなりますよ!」

と、僕は、ついキツイ口調になってしまったが、言いたいことを言った!本田は、黙ってJAFに電話しだした。そして、

「代理で対応する人に変わってって言ってます!」

と言って、僕に携帯を渡した。僕の本人確認をしたいらしい!免許証番号、住所、氏名を聞かれて、30分〜1時間くらいでそちらに着けると告げられた。僕は、本田に、

「あとはやりますから、行って下さい。くれぐれも気を付けて!」

と言った。本田は、自分の車からバッグを出すと、僕の言うことに従った。僕は、自分の車に本田を誘導し、

「特に変わったところはない車だから運転は大丈夫だと思います。」

と言って、鍵を渡した。

本田は、

「ありがとうございます!」

と言って、僕の車に乗ると、座席を合わせる為座席の下と、横のレバーをいじった。

「こんな感じかしらね!」

だいたい合わせると、

「平林さん、脚長いのね!座席の位置、随分前に出して私丁度いいから…。」

と、のんびりとした口調で言った。そして、

「すみませんがお願いします。」

と軽く頭を下げると、ゆっくりと車を進めて、走り去って行った。僕は、見送ってから、施設に連絡した。

「ちょっと車のトラブルで車が動かず、JAFに連絡しましたが、午前中には間に合わないかもしれないと思います。!すみません!」

と。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ