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主治医との結婚生活

第10章 仕事

お洒落なカフェランチの配膳は
小鉢やお皿が沢山乗っていて 結構重い…!

私がふらふらと配膳していると、
煌大くんがひょいっとお盆を持ち上げた。

「明花さん すみませんが 3番テーブルを片して
貰っていいっすか?」

かわりにテーブル布巾を私に手渡す。

「あ… ありがとう!」

私がお礼を伝えると ニコッと笑っていく。

このシチュエーションは 若かったら恋に堕ちる
パターンでは…?

ドキドキこそしないが 擽ったい気分になる(笑)



ある日  
それは 予期せず  突然に…
奏真さんがご飯を食べに来た。

「あ…あれ? 奏真さん?!」
「明花ちゃんの仕事っぷりを見に来たよ〜」
「えぇ… 子供の授業参観みたい…(笑)」

そんな話をしながら奏真さんをカウンターに通す。

「明花ちゃんの旦那さん?!
カッコいいじゃん! 
お医者さんなんだっけ?!」

ミナさんが キッチンからこそこそと
奏真さんを盗み見、興奮する。

鳴沢さんは奏真さんの前に出て、
丁寧に挨拶をしていた。

「誰っすか? あのハイスペックなイケオジは…」
煌大くんの言い方に笑ってしまう。
煌大くんにかかれば 奏真さんもオジサン…(笑)

「私の旦那さんだよ〜」
私が笑って伝える。

「そう言えば明花さんはママなんですよね…。
全然そんな風に見えないっすけど…」
 
「…煌大くん、 それ褒めてるの? 
貶してるの?」

「え〜? 勿論 褒め言葉っす!」

煌大くんの慌てぶりにまた笑った。 

そんな話をしていると また1人 
お客さんが入って来た。

「こんにちは!大澤さんいる?」
お店に入って来るなり 
そのお客さんは私を確認する。

最近よく来るお客さんだ。
私より2歳年上で 営業マンらしい。
私を気に入っているらしく、いつもご指名が入る。

旦那さんもいるママだと伝えているのだが、
彼は 平然と 私の連絡先を聞きたがり、
お茶に誘ってくる。

いわゆる 困ったお客さん だった。


そのお客さんを席に案内して 立ち去ろうとした所で
グッと手を握られた。

え…? 

驚いていると 
パシッ と 手を叩く音がして
煌大くんが割って入って来た。

「お客様 ここは夜のお店じゃないんでね?
そういうのがお望みなら別の店に行って
くれませんかね?」

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