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主治医との結婚生活

第13章 応急処置

「旅行? 2人で? 預ける? 誰に?」

疑問を羅列する。

「ウチの親達に…」

私は奏真さんの言葉に 青ざめた。

「いえいえ そんな…! 暖菜を預けるなんて…
お義母さん達に申し訳ないです…!」

「親達の許可は 取ってある。 
孫との水入らずを 楽しみにしてたよ?」

「でも…っ!」

「明花ちゃんは 嫌? 僕との温泉旅行…。
暖菜が気掛かりで 楽しめないかな?」

奏真さんが 私の頬に触れてくる。

「久しぶりに 2人きりで ゆっくり出来るよ? 
朝から晩まで… 明花ちゃんの 事だけ構って…
いっぱい 可愛がってあげられるよ…?」

奏真さん が 優しく 微笑む。

朝から晩まで…? 
いっぱい 可愛がって…?

奏真さんの言葉を反芻して
   かああああっ 顔が赤くなる。

やだ…! 何か… 体まで 火照る …?!
と慌てる。

「ふふっ。 想像しちゃった? 
今、すごい顔してるよ?」

奏真さんは 私の反応を 嬉しそうにする。

「僕を煽る すごく 魅力的な 顔だ…」

奏真さんが 妖しく 笑うから…
私は オオカミを前にした 赤ずきんちゃんに
なった気分で 震える。


私の 中 が  疼き出す…


「甘えたくなった?
仕事に出る時間まで あと10分…
明花ちゃんの… 望むことをしてあげるよ…?」

頬に触れていた 奏真さんの手の親指が  
私の唇をなぞる。

「…っ」 

ゾクッと  煽られる…

そんな事 されたら
 疼き が 増しちゃう…
   もっと 欲しく なる…

「今日僕は夜勤で この後はいない…。
甘えられる内に 素直になる事を 
おすすめするけど… どうする?」

私は 顔を 俯かせる。

自分から 甘えるなんて 
お酒が入った時くらいしか ない…

でも…

「あの…っ 奏真… さん…」

「なぁに?」

「 …  ぎゅって して… 欲しい… 」

抱きしめて 疼きを 止めて欲しい…

「それだけで いいの?」

それだけで いい…! 私はこくこくと頷く。

「ふぅん…?」

奏真さんが 
ぎゅっと 私を抱きしめてくれる。

心地良い…

奏真さんの胸に擦りついて 安心する。

「…大丈夫?」

奏真さんに聞かれて 頷く。

「ふぅん?」

それから
奏真さんの 腕の中… 深呼吸をして

疼きを鎮める。

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