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主治医との結婚生活

第14章 浮気

カフェランチのパートは その後も 続けている。

例の困ったお客さんも あの日以来来なくなって
平穏そのものだった。



12時45分 ランチで賑わう時間…

「こんにちは…」
ランドセルを背負った娘が 緊張した顔で
お店に入って来た。

今日は給食がなく 早い下校だったので
お店に来るように お願いをしていた。

「あら!暖菜ちゃん!いらっしゃい! 
大きくなったわね〜!」

幼稚園時代を知る鳴沢さんは 娘の成長に驚きの声を
あげながら 娘を歓迎してくれた。

娘はカウンター席に座らせて貰い、 
お昼をお願いする。

出てきたハンバーグ定食はハンバーグが大きくて
娘は ご機嫌で ご飯を 食べ始めた。

そんな 娘の様子を 横目に 私はいそいそと
仕事に励む。

定食を食べ終わった娘は 宿題をやり始めた。


「お! 勉強してるの! 偉いじゃん!」


煌大くんに話しかけられて 娘は照れて 下を向く。

「良い子だな! お兄ちゃん が メロンソーダを
プレゼントしてやろう!」

頭をクシャっと撫でられて 娘は益々縮こまったが メロンソーダの登場で たちまちご機嫌になった。

「うわ… 煌大くん! 悪い…! メロンソーダ!
しかもフロート!!」
私が慌てると

「いーんすよ! な?」
そう言って 煌大くんは娘に 笑いかける。

普段は 警戒心の強い娘も すっかりメロンソーダをくれたお兄ちゃんに懐いて 笑い始めた。

年代 性別 関係なく 
誰とでも 仲良くなれちゃう煌大くんは 
凄いと思った。



仕事をしている中で 煌大くんの存在は 大きい。

困る事があると すぐに声を掛けてくれるし、
頼もしい。

いつしか
煌大くんの笑顔に ホッとする 自分がいた。



そんな 煌大くんも カフェランチを卒業する時が
やって来た。

「明花さん… 俺 ここを 辞めるんです。」

煌大くんに言われて 驚いた。 

だけど… 
まぁ、そりゃあそうだよね。
ずっと ここに 煌大くんが居る訳ないし
居ちゃいけない よね…?

と 納得した。

「あ…! そうなんだ! 次の道が決まったのね? 
おめでとう!」

私が喜ぶと 煌大くんは 照れた顔をして俯いた。

それから今後について 教えてくれる。

「… アメリカに 留学しようと 思って…」

「へぇ〜! アメリカ! 凄いね!」

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