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主治医との結婚生活

第15章 好き

楽しみにしていた 帰省の日がやって来た。

飛行機で移動した後、レンタカーを借りて 
車で走る事70分!
懐かしい 景色が 広がる。

帰ってきたなぁ…!

私はじんわり感動しながら 車を走らせる。

娘は大人しく 後部座席から 外の景色を眺め、
奏真さんは 仕事で疲れていて 助手席で 
死んだように眠っている…


懐かしの 大澤診療所を通り過ぎ、裏に位置する
実家の前に 車を止める。

昭和レトロな佇まいの この実家は 
ご先祖様から受け継いだものらしい。

タイムスリップしたような 気分を味わう…。


「明ちゃん! お帰りなさい。 元気だった?」
玄関先では お義母さんが 待ってくれていた。

「お義母さん…! お久しぶりです!」
久しぶりの再会を喜んでいると…

「おばあちゃん…!」
娘が車から飛び降りて お義母さんに抱きついた。

「まぁ♡ 暖ちゃん! 大きくなって…!
待ってたわよぉ!」

こちらも嬉しい 再会を果たした。


奏真さんを そのまま 車に寝かせて
私は 荷物を家の中に運び入れる。

荷物が運び終わると よいよ 奏真さんを起こす。

寝入っているのに 起こすのは
可哀想な気もしたけど…
このまま 放置するわけにも いかない。


「奏真さん 着きましたよ? 起きて?」

私が揺さぶると 奏真さんは目を覚ました。

「…明花ちゃん ごめん。 
すっかり寝入ってた…!」

「ふふっ 大丈夫…。 着きましたよ?」

私は 懐かしさを覚える。

よくこうやって 疲れている奏真さんを助手席に
寝かせたまま ドライブデートしたな…

起こすと 必ず 奏真さんは 私を引き込んで
キス したっけ…


「 … 」


気がつくと

私は寝転がる奏真さんの 腕に抱かれて 
いつの間にか キスをしていた。


「 … !!! 」

「おはよう。 明花ちゃん。」

穏やかに 奏真さんが 笑う。


8年? 9年? ぶり の再現…

「お… おはようございます…!」
私は 顔が 真っ赤になって 唇を押さえた。

「ふふっ。 顔が真っ赤だよ… ?
懐かしいね。 明花ちゃん…。」


何だか すごく ドキドキする…
独身時代に 引き戻される。

「この時を…すごい 楽しみにしてたんだ。  
明花ちゃん…」

見つめられると…

「私も…  奏真先生…」


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