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主治医との結婚生活

第16章 旅行の幕開け

奏真さんの舌が うなじ 首筋… と 舐め上げる。

「あ…っ! ヤ…っ!」
思わず 声をあげて 体をねじって 逃げる。

「ふふっ 美味しい…!」

奏真さんの嬉しそうな声が聞こえる。

「奏真さん…! 汚いよ…!」

涙目になって 震えながら 奏真さんに訴える。

「汚い…? どこも かしこも 美味しいよ …?」

言葉に 似つかわしくない 爽やかな笑顔に 
私は若干呆れて 言葉を失った。



「… ねぇ 明花…
楽しい時間を始める前に… 
僕の乱れた心を 鎮めてくれるかな…」

「 ?」

奏真さんの 言っている意味がわからなくて
首を傾げる。

乱れた心…? 

考えていると 奏真さんが私の頬にそっと
触れてくる。


「明花… 大好きだよ…」

奏真さんが そっと 私にキスをする。

私も目を瞑って 
奏真さんからのキスを 受け入れる。


それから 奏真さんは 浴衣の帯で 
突然 私の両目を隠して 巻きつけた。

「え…!?  奏真… さん ?!」

突然 視界を閉ざされた事に慌てる。 

きゅっと結ばれて 
顔を振ったくらいでは 緩まない。


「ねぇ… 明花…
彼に … 心を 許していたでしょう…?」

耳元で  奏真さんが囁いた言葉に  ドキッとする。

顎を掬われて 口内に奏真さんの舌が 
ゆっくり侵入する。


私は 高鳴りが おさまらない…

煌大くん の事… だよね ?


奏真さんは ゆっくり 唾液を 
喉の奥に 流し込む。
まるで 内側から 私を 蝕む様に…

私は 必死で その唾液を 飲み込んだ。


「 悪いけど そこまで 僕は 鈍感じゃないよ?  
特に… 明花の事は… 」


口角から溢れた唾液を 
奏真さんの指が優しく拭う。


「彼との別れは 涙する程… だったんだ…?」

「…ごめんなさい」

私は 観念して 謝罪する。


浮気だ と 責められても仕方がない…。
非難 も 抱き潰し も 覚悟する。



「…勘違いしないで? 僕は 怒ってない…。
明花ちゃんが僕を 一途に愛してくれているのは 
ちゃんと わかってる…。

だから これは… ただの 嫉妬… 
どうしようもなく 苛つく…」


奏真さんの手によって
着ていたワンピースが 足元にするりと 落ちた。

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