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主治医との結婚生活

第21章 お仕置き

「奏真さん…挿入て…欲しい…。」
私は 堪らずに 奏真さんに 懇願する。

奏真さんは眉毛を下げて 困った顔をした。

「明花ちゃん ごめんね。 
今日は… 挿入てあげないよ。」

私は 奏真さんの言葉に 絶望的な気分になった。


「昨日の事… 怒ってるから?」

「そうだね。」

奏真さんの言葉に 改めて ショックを受ける。

私は今まで 奏真さんの嫌がる事は
した事がない。

こんなに 怒らせてしまうなんて…

欲に溺れた自分を呪う。

「本当に…ごめんなさい…。
どうしたら… 許してくれますか?」

「今日1日 僕の言う事を しっかりと聞けたら
許してあげるよ。」

私の涙に 奏真さんは尚も 困った顔をする。

「僕だって辛いんだよ? でもコレは
明花ちゃんに必要な治療だから ね?」


治療… ?
奏真さんの言葉を 反芻する。


そう…  昨日は…
欲に溺れて 奏真さんの 言葉を無視した
どう考えても 私が 悪い。
昨日の反省を顧みぬまま 
奏真さんを 欲するなんて…
奏真さんの お怒りは 最もだ。


「はい…。きちんと反省します。
先生の言う事を 守ります。」

私の言葉に 奏真さんは 優しく微笑んだ。

「明花ちゃんは 頑張り屋さんだから…
必ず僕の期待に 応えてくれると
思っているよ…。」


それは 看護師時代に 幾度となく
かけて貰った 奏真先生からの言葉。
私を 導く 魔法の言葉。

先生に認められる為なら… 
先生の温もりを 手に入れる為なら
何だって する!
そう 思っていた。

今回も…  !

私は やっと手に入れた この 温もりを
手放す訳には… 行かない!

手放したら… 私は途端に 発病してしまう。

生きる意味も 希望も …

失ってしまう… ?


「…っ!」
ふと 不安に 苛まれて 青ざめる。

「奏真さんが 大切なんです。
何よりも  1番…! 
私を…  見捨てないで…  !」

私は 顔を覆って 静かに泣いた。


「見捨てないよ。
僕は 明花ちゃんの 主治医なんだから…。
だから治療をするんだよ?
これからは 僕の言う事を ちゃんと
守ろうね? 」


「…はい。」

ガタガタと震える私を 
奏真さんは優しく抱きしめた。



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