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主治医との結婚生活

第24章 篠宮家のお嬢様

私の母の実家は 元々は この土地の大地主。
篠宮の名前を 知らない人は いないらしい。

更に 祖母は 目を引く様な 
美しい女性だったらしい。
外も中も 気品に溢れ、 
男女問わずファンが多かった と聞く。

一方 私の母、梓は…
これまた 美しい女性だった様だが
家柄など興味がなく、ゴーイングマイウェイ!で
好きな男性を追いかけ 故郷を捨てた 
困ったお嬢様。(さすが 私の 母!(笑))

そうして 駆け落ちした相手との子供が 私…。

一人娘だった母は 怒り狂った祖父に 
1度は絶縁されたそうだが、
私が生まれた事をきっかけに復縁。

しかし母は この土地に戻る事を 
断固拒否し、 跡継ぎの居なくなった篠宮家は
土地を売り払い縮小した。

そして 現在に至る…。

因みに 母は 私が3歳の時に 未亡人になった。

「明花が居なかったら 後追いしてた…」
だいぶ経ってから 衝撃の告白も受けた。

母は今でも 父一筋。
「あんなに素敵な男性は もう2度と現れないわ!」
そう言って 美容師になって、女手1つで 私を育ててくれた。

お嬢様だった母は 生活能力が無くて…
家事全般を 私は必死で身に着けた。
そうしないと 死んでしまうと思ったから…(笑)

だから…
祖母と過ごす 夏は 非現実的で…
毎年 楽しみだった。


祖母は確かに 私から見ても
上品な人だった。
忙しく、 構ってくれない母とは真逆で
いつも笑顔で 優しくて 私も 大好きだった。



私の前を ずんずんと歩く 
奏真さんの シャツを引っ張る。

「…何?」

奏真さんは 不機嫌な顔をしている。

この土地の人達の 思わぬ反応に 困惑し、
計画通りに事が進まない…! といった
苛立ちを 感じる。

「私も 母も 生涯 この目に映すのは 
1人だけです。 
篠宮の血が また そうさせるのでしょうかね?」

私が 笑いかけると
突然 奏真さんに ぎゅっと 抱きしめられた。

「明花ちゃんは 僕だけの ものだよ…。」

「…嬉しいです。私も 奏真さん以外は 
要りませんので…。
だから 早く… 
1つに… 繋がりたいです…。」

恥ずかしくて 顔を埋める。
でも 私の中では 精一杯 強請る。


「…随分 大胆に強請るようになったね。」

奏真さんは 少し 満足した様子で
少しだけ 機嫌を直した。


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