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主治医との結婚生活

第26章 突然の 電話

無事にお土産を買い終えた私達は
手を繋いで 旅館へ 歩き出していた。


その時…
スマホの着信音が響いた。

誰? お義母さん? 
もしかして… 

暖菜に何か あったんじゃあ…?!

焦って スマホを覗けば…



煌大くん



! ?!

文字を見て ドキッ とした。

なんで?

折角 仲直りした この タイミングに… ?



「 …? 明花ちゃん…?」

スマホを持って 立ち尽くす私に
奏真さんは 不思議そうに小首を傾げる。


「あ… ぃや… 」

私は 急いでスマホを隠すも…

一向に止まない 着信音。


「出たら?」

奏真さんに 促されて

躊躇いながら 電話に出る。


「   はい 」

『明花さん? 突然にすみません。』

奏真さんは チラリと私を確認すると
背を向け 先に歩き出した。

私も後を追いながら
煌大くんと 会話する。

「… 久しぶりだね。 どうしたの?」

『今から アメリカに行きます。
今、空港なんです。』

「へぇ〜、 そうなんだ! よいよだね!
頑張って来てね!」


奏真さんの事が 気になって
気が 気じゃない!

私は 煌大くんとの会話の内容を 
あまり 理解出来ない。

上辺だけの会話をする。


『…俺、 明花さんの事 
好きになっちゃったんですよ…』

「へー…」

相槌を打ってから 言葉の意味を理解する。


「…え?!」

『だから 最後に 
こっ酷く 振って欲しいんすよね〜 』


驚く私を余所に 
煌大くんは マイペースに希望を伝えてくる。

「え…っと ?
私は… どう捉えたらいいのかな?」

突然の告白に 大パニックの私は
何から考えていいのか 訳がわからなくなった。

『何 言ってんだ、コイツ って
思えばいいんじゃないっすかね。』

「… 本当に、 何言ってんの…
煌大くん (笑)」

相変わらず 面白い子だな…!
私は思わず 笑ってしまった。


煌大くん というワードが聞こえたらしく
奏真さんが思わず 私を振り返る。

奏真さんと バチッと目が合った。

何とも 言えない 心配そうな顔をしている。

私は そんな 奏真さんの表情に 顔が緩む。


ああ…
天秤に かけようが無い。
私の愛する人は 奏真さん唯一人…。

この人の隣に 並ぶために 生きてきたの。
他の人じゃ ダメなの…。

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