テキストサイズ

孤高の帝王は純粋無垢な少女を愛し、どこまでも優しく穢す

第34章 碁盤攻め

香さんは私に向かってウインクし、肩越しに手を振る耀と一緒に隣の部屋に入ってしまった。

嬉しいやら照れ臭いような心持で遥人さんと視線を重ねる。

遥人さんは優しく微笑んで私の腰元に手を当てた。

「おじいさま、おやすみなさい」

反対の隣でドアを開けたおじさまが、ああ、おやすみ、と微笑んでから、ちらりと私を見つめ、ドアの向こうに姿を消した。

後ろ髪を引かれる思いを胸に、部屋に入る。入るなり遥人さんに抱きしめられた。

「黎佳」

囁く吐息が耳たぶをくすぐられ、肩をすくめるとさらに強く抱きしめられた。

「かわいい」

額にキスしながら遥人さんは私に尋ねた。

「お風呂、入る?それとも休む?長旅で疲れたよね」

そう言いながらも瞳の奥には欲情の火種が見える。

「せっかくだからお風呂に入りたいな」

私は答えた。

「よかった。おいで。一緒に入ろう」

テーブルと座椅子が置かれた畳の間を通り、奥の寝室を抜けると、ヒノキ張りのテラスにかけ流しの湯舟があり、見上げれば夜空を背にそよぐ紅葉が湯気に煙っている。

遥人さんは後ろから私のワンピースの背中のファスナーを下ろした。

久しぶりの二人だけの空間に、胸が高鳴る。

夜空の下で、遥人さんに丸裸にされた。

後ろから遥人さんの綺麗な手が、私の乳房を包んだ。反対の手は、おへそのあたりをそっと撫でる。


「やっと二人だけになれた」

遥人さんは耳元で囁いて、私の体に手のひらを這わせた。

遥人さんの手のひらを起点に、砂嵐のように鳥肌が立って全身に広がった。

さらに愛撫を続けられると、肌がほころぶように熱を放ち、遥人さんの愛撫によって体が溶かされていく心地に変わる。

吐息が熱い。腰が自然とくねって遥人さんの腰元にぴたりと寄り添うと、いつの間にか服を脱いだ遥人さんの性器がお尻に当たった。

「入る前にのぼせちゃいそう」

私が言うと遥人さんは私を抱き上げ、湯船に体を沈ませた。

紅葉がたゆたう湯面に、月が映っていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ